『現代怪奇百物語 怪談短編集』についてはこちら↓
こんにちは、みくろです。
先日、映画『百奇夜噺』を観ました!
2023年製作。
9人の監督によるオムニバスホラー。
『現代怪奇百物語』シリーズ全体としては何作目になるのかな?(6作目??)
オムニバスホラーとしては『現代怪奇百物語 怪談短編集』に続いて2作目みたいです。
前作もそうだったんですが、監督さんによって全く作風が異なるオムニバスならではの楽しさがある。
その分力量の差も顕著に現れるので、自分の好みも含めて面白い・面白くないの差も大きいです。
ただやっぱり普段観ないような作風、初めて知る監督さんと、いろいろな出会いがあるからオムニバスは良いですよね。
ちょっと今作はギャグ寄りが多かったかなあ?
短編ホラーって雰囲気お察し系になるかギャグに走りがちなので、そんな中でもしっかり起承転結ある怖いお話に仕上がっていた何作かが目立っていた印象。
短編やB級ホラー好きさんは是非チェックしてみてください。
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
話数が多いため、特に印象に残ったお話のみ書きます。
「鬼の呼び声」
1本目だったけど、今作で一番良かった。
少年の好奇心と田舎の風習、触りはしたもののあんな終わり方になるほどの悪事をしたわけではない理不尽さ、鬼(?)の出方も絶妙で怖かったです。
母親や祖父ともひどい関係というわけではなさそうだし、このあと少年に何かあったとして親は本当に悔やむだろうなあとか、短編で描き切れない部分の想像の余地がある奥深さもあったと思う。
「西鶴怪談・似せ男」
全体のストーリーとしては結構好きなんだけど、偽者の男側の心理が浅くて分かりにくかった。
奥さん側の、偽者でも優しい理想の夫であればいいという歪んだ愛情は良かったんですが、偽者側の心理として霊が見えたり訳ありそうな女性と居続けるだけの動機が本当にある?と。
「死神」
主人公の女性がとことんクズだったのが逆に良かった。
何だかんだいってお姉さんやお母さんにも悪いところがあるのかなと思っていたけど、この感じだと単純に妹が勝手に嫉妬して拗らせているだけですよね。
だからこそもう少し死神は怖い感じの方が良かったかなあ?
最初にコミカルな雰囲気で登場するのは良いんだけど、見た目がふくふくとしたおじさんだから最後までカウンセラーみたいにしか見えなかった。
「藁人形のあなた」
正直ストーリーとしてはあるあるだし、キャストさんの演技や台詞もいまいちリアルさに欠けると思ったんですが、お腹の赤ちゃんを殺すのではなく自分に入れるというのが斬新でした。
こういう復讐系のお話って皆殺しか、お腹の赤ちゃんだけ相手の女性から奪うというのが定番だと思うけど、今作の女性は自分のお腹で育てることも重要なんでしょうね。
そこに一番狂気を感じたし、藁人形すご!って思いました(笑)