こんにちは、みくろです。
先日、映画『闇刻の宴』を観ました!
2015年製作。
5人の監督によるオムニバスホラー映画。
それぞれの監督が手掛ける5本の短編と、それらを繋げる1本の物語。
一応テーマが女性の狂気性や恐怖ということなんですが、正直「男性が考える理想の怖い女」としか思えません。
これだけ書くと痛烈に批判しているように思われるかもしれないんだけど、作品自体の芸術性や監督さんのこだわりは十分に感じる事ができました。
オムニバスホラーとしてもテーマ性が統一されていて良かった。
ただこれを「女性の怖さ」「女性の狂気」と謳われると、むしろ男性の加虐性にドン引きなんですけど…と言わざるを得ない。
もちろん男性の監督さんが悪い、女性の監督さんのだけが良かったと性別で判断するつもりはありませんし、ホラーとエロは全然ありだと思っているけど、美しさと下品は紙一重なところがあるので、テーマだけでも「エロ怖」とか「男女の恐怖」ぐらいにしておけば良かったと思う。
もしかするとテーマは後付けかもしれないので作品自体の感想を書きたいところなんですが、人間の内面、特に性に関する部分を短編で描くのは非常に難しいんだなあというのが全体の感想となりました(´-∀-`;)
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
「うつしえ」
もう少し絵の深掘りが欲しかったけど、短編だとこれが限界か。
仲居さんにも管理人にも何らかの後ろ暗い過去がありそうですが、かなり抽象的なので雰囲気で察するしかない。
「子の棲む家」
過去に虐待されていた子が住んでいた家(もしかしたら死んだ可能性も?)に引っ越してきて、虐待してる側の母親が改心するという展開は珍しい。
ただ最後を見るに、虐待していた母親の霊?もいるっぽいからそっちに流されずハッピーエンドで良かった。
「36℃の視線」
誰かに見られているかもという嫌な感覚、たしかに宗教の勧誘や虫と似ているかも(笑)
コミカルな演出でホラーコメディといった感じだけど、ストーカーっぽい男性や、家にGがいるという潜在的な恐怖はダントツだった。
「幽閉confinement」
芸術性が高く、見入ってしまいました。
単純に監禁された女の子の10年を人形で表現したとしても素晴らしいし、動かしている女性も作中の人物の一人として考えたら全く違う意味で怖い。
「岩」
ストーリーもテーマ性も一番分かりやすかったけど、逆に目新しさや意外性はない。
たぶん女性側は最初からおかしかったわけではないと思うので、男性側だけが生き残ってハッピーエンドはちょっと嫌だなあ。
最後の女性の笑みはどちらかというと良い方に見えたけど、男性の身勝手さは祟られてほしい。
「ひなげし」
上記5本の合間に挟まれる描写は深刻で闇深そうだったけど、「ひなげし」本編はわりとギャグ寄りでしたね。
どうして死んでくれないんですか?って、本当そう(笑)