こんにちは、みくろです。
先日、映画『MEN 同じ顔の男たち』を観ました!
2022年製作のホラー映画。
-----------------------------------
夫ジェームズの死の瞬間を目撃したハーパーは、その心の傷を癒すためにコットソン村という田舎で2週間を過ごす事になった。
少し変わったカントリーハウスの管理人・ジェフリーに辟易するも、それ以外は広大で自然豊かな土地に満足するハーパー。
しかし近くの森を散策した際、とあるトンネルで不審な男を目撃する。
更に村へ行ってみれば、全ての男たちがジェフリーと同じ顔をしていて…。
予告編を見てずーっと気になっていた映画!
「同じ顔の男」というと、どうしても都市伝説の「夢男」「This Man」を連想してしまう人も多いと思うんだけど(私もそうだった)、この映画の内容は全く関係ありません。
都市伝説よりもっと宗教的で、ジェンダー問題に一石投じた作品かなと思います。
かなり抽象的なので分かりづらい点も多いんですが、その人の宗教観や性別によってもだいぶ観方が変わるんじゃないかな。
ホラーとして怖いシーンもたくさんあって良いんだけど、如何せん難しい映画なので誰にでもはオススメできないかも(;'∀')
抽象的でキリスト教的な考察が好きな人、『ミッドサマー』や『マザー!』が刺さった人には是非オススメします。
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
「同じ顔の男たちが怖い」ではなく、「同じ顔の男に見えている心理が怖い」話でしたね。
正直観終わった今でもよく分からない部分はあるんだけど、結構しっかり考察すると、改めてタイトルの『MEN』が響いてくるというか。
ジェンダー問題について論じる時ってどうしても「男は」「女は」と主語が大きくなりがちで、そこをキリスト教的な男女観と絡めて表現された作品なのかなと思います。
ハーパーは村の男が全員ジェフリーと同じ顔に見えているけど、普通はそんな事が起こったらもっと動揺したり友達との電話で話題にすると思うので、実際はそれぞれ違う顔だったのではと思います。
ただハーパーは村の男たちを「女性軽視の田舎者」という偏見で一括りにしていたので、一人一人の人間として見ていないから全て同じ顔に見えたのではないかと。
それは旦那さんに対しても同じで、おそらくハーパーの中で「男には分からない」「男はみんな同じ」といった偏見があったんだと思います。
もちろん暴力は許されないけど、そこまで夫婦仲がこじれるまでに何があったか描かれていない以上、100対0は有り得ないですからね。
「お互いに怖がっている」という言葉の通り、男女という壁を作ったせいでどちらも相手に歩み寄る事ができなかったんじゃないかな。
ハーパーが女友達や女性警官の話は素直に聞くのに、男性からの意見は全て否定していた事からもどういった夫婦関係だったか何となく想像できますよね。
だからこそ、こんな事になるまでジェームズの「愛を求めていた」という本音を聞く事ができなかったし、本人も言う事ができなかった。
宗教的な部分は不勉強なのもあって正直分からない点も多く、特に全裸男の意味合いは何となくアダムの役割という事以上はよく分からなかった。
車が壊れていたので現実に起こった事ではあるんだろうけど、どこまでが真実なのか、そこはちょっとだけモヤモヤが残ります。
ハーパー視点なので男性の言動がことごとくひどく感じるんですが、それもそう見えている聞こえているだけで、ジェフリーの冗談や神父との話はもう少し意味合いが違った可能性も高いと思います。
とある考察で、お互いの偏見によって「どちらもモンスターに見えていた」という意見があったのだけど、そう考えるとなるほど納得ですよね。
とはいえかなり抽象的で説明不足ではあるので、これという正解はなく、それぞれのジェンダー観や宗教観でいろいろ印象や考察が変わる映画だと思います。
うーん難しい!