こんにちは、みくろです。
先日、スティーヴン・キングの短編集『夏の雷鳴』を読み終わりました!
今作は「わるい夢たちのバザール」と称して『マイル81』とセットになったキングの最新短編集です。
(Ⅰである『マイル81』についてはこちら↓)
キングといえばホラーのイメージが強いんですが、今作はどちらかというと普通小説というか、非現実的な話よりも日常生活の中で人間が起こすちょっとした歪を垣間見せてもらったような、そんな印象を受けました。
私はまだキング初心者なのでたくさん読んでるわけじゃないけど、これだけたくさんの話が入った短編集で、どれも質が高く優劣つけがたいオールジャンル作品を書き続けられる才能はやはりすごいと思います。
翻訳なので原文とは多少印象が違うかもしれませんが、かなり読みやすい文章を書く人だと思うし、海外作品をあまり読んだことない!という人にもおすすめできます。
今でも現役で作品を生み続けてるって本当にすごいなあ。
この短編集は2冊とも夫からのプレゼントなんですが、良い本をありがとう!と改めて思った読後感でした(*^^*)
ちょっとだけ感想
※ネタバレはありません。
個人的には「鉄壁ビリー」「酔いどれ花火」「夏の雷鳴」が印象に残ってます。
「鉄壁ビリー」に関しては、まず野球小説(?)というのが初めてで新鮮でした!
私があまりそういう話に興味ないせいか、そもそも小説とスポーツの相性が悪いのか、あまり試合実況を文章として読んだことはなかったんですよね。
初めに野球の話と書いてあって小説として大丈夫なのか?と思ったんですが、野球をめったに見ない私でも選手の動きやスタジアムの熱気が伝わってきて、それだけでも結構面白い読書体験でした(゚∀゚)
でもさすがキング、ただの野球小説で終わらないところがまた良いし、想像以上に黒い終わり方でビックリしました。
「酔いどれ花火」はただただ面白い(笑)
この文庫本の表紙のデザインにもなってますね。
初めから終わりまで奇天烈で、あとがきによると何やら映画化の話もあるようで…?
たしかに映像になったらすごく楽しそうですね(ㆁωㆁ*)
表題でもある「夏の雷鳴」は、短いながらも心をえぐられる、悲しいお話でした。
少なくとも作中の登場人物たちは誰一人として何も悪いことをしていなくて、ただそこに居ただけなのに、悲しみや苦しみを乗り越えた先にも望みがないなんて…。
最後の最後にこの話を持ってくる辺り、短編集としての話順も見事でした。
タイトルもすごく詩的で染みますね…。
これを機にキングの作品を遡って読んでいきたいです。