こんにちは、みくろです。
先日、宇佐美まことさんの『るんびにの子供』を読みました!
7編のホラー短編集。
いや~~~~久々に良い作家さんに出会えたなあ!という感じです。
何やらホラー界にすごい作家さんが現れたとの噂は聞いていたんですが、なるほど確かにいそうでいなかったタイプの作風で非常に面白かったです(*^^*)
といっても、この表題作である『るんびにの子供』で受賞・デビューしたのが2007年だそうですから、その後の活動歴を見ても今は新人さんではないんですけどね。
「日常に潜む怪異」や「普通の人が負の感情に飲まれ変貌していく恐怖」を書くのがうまい作家さんだそうですが、たしかに今作もごくありふれた日常が舞台で、登場人物達も特別な力があるわけでなく、ただただ普通の日常に一瞬の歪ができてしまっただけ。
その歪だって「生きていたらこういう事もあるわよねえ」ってぐらいの小さな出来事の積み重ねであったり、ホラー小説なので怪異は起こるんだけど、はっきり言って怖いのは生きてる人間の方。
他の作品も是非読んでみたい!
主婦作家さんが書く恐怖の質
最初なのもあって今作は作家さんのバックグラウンドを全く知らないまま読んだんですが、話の内容や感情の描写があまりにも生々しく、これはもしや…と思ったらやはり主婦作家さんでした(ㆁωㆁ*)
解説が岩井志麻子さんだと言うとピンと来る方もいるかもしれませんが(笑)、情念や怨念、女性のありとあらゆる負の感情を書くのが非常にうまい作家さんということですね。
もちろん女性だから主婦だからうまいと言ってるわけじゃないですが、自分自身が体験したこと、または体験してる人が身近にいる環境じゃないと想像もできない感情ってあると思います。
それを言葉にして表現できる能力、一つの物語として完成させられる能力、どちらも高くないと書けないですしね。
宇佐美まことさんは、なんとデビュー時の年齢が50歳。
作家としては遅咲きですけど、子育てが落ち着いてから執筆を始めたらしく、ここまで母親として妻として一人の女性として生きてきた経験があるからこそ読者にものすごく響くんですよね。
いや~かっこいい!憧れる…!
作家さんに限らず、家事も仕事も子育ても介護もこなしてるような女性ってたまにいらっしゃるけど、一体どうやっているんだろうか…(・_・;)
女性の感情描写がうまいとは言いましたが、だからといって同性にしか響かないわけではないですし、男女問わず、どちらかというと大人になればなるほど恐怖を感じる話が多いかなあという印象でした。
宇佐美まことさん、オススメです!