こんにちは、みくろです。
先日、映画『Spree(スプリー)』を観ました!
2020年製作。
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ライドシェアアプリ「スプリー」のドライバーであるカートは、SNSで「カート・ワールド」と称するチャンネルを10年間も配信し続けていた。
しかし過去最高視聴者数はたったの二桁、あの手この手でいろいろな動画をアップするも、全く再生されずに悩んでいた。
そんなある日、カートは自分をバズらせるために「ザ・レッスン」という生配信を始める。
ライドシェアの乗客を次々と殺し、その一部始終をネットで配信するのだが…。
たまたま目について観たので何の事前情報も入れてなかったんですが、想像以上に面白くて良かった!
最近は『アンフレンデッド』に始まり『search/サーチ』など、所謂SNS上の画面だけでストーリーが進む映画が多数作られているけど、今作はそれにプラスして「バズらせたい」という現代人の狂気も描かれていた。
主人公カートは承認欲求の闇に飲まれてしまった青年なんですが、彼が一番まともに見えるぐらい、世の中の歪みが的確に表現されていたと思います。
ジャンルはサイコスリラーになるのかな?
殺人描写は多いけどそこまでグロくないのと、これも監督さんの仕掛けなのか、SNS上で見せているという環境のせいで全く怖くは見えないです(逆にそれが怖い)。
現代ホラー映画として傑作だと思うので、是非チェックしてみて下さい♪
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
正直、何が一番怖かったって、カートが何をやってもなかなかバズらなかった事。
冒頭のカートがそうだったように、私も殺人配信なんてしたら一発で話題になるだろうと思いながら観ていたんですが、結局他の有名人の力を借りなきゃ無理だったんですよね。
単純にカートの知名度がなかったというのもあるし、フェイク動画が横行し過ぎて視聴者に信じてもらえなかったのもある。
でもそれってどんなに真実味があっても知名度がなければ信じてもらえず、有名でさえあればフェイクでもたくさんイイネやお金が集まるわけですよね。
この仕組みがSNSの一番怖いところだなあと思ったし、フォロワー獲得に必死になる一つの要因だと思います。
殺してまで他人の配信を乗っ取って、百何人の視聴者で浮かれて喜んでいたカートがとにかく切なかった…。
最終的にジェシーが生き残り、それを使って更に有名になったからおまけでカートの知名度も上がったわけで。
死んでもなお、人気者ジェシーの踏み台にされているんですよね。
これが本当に闇深いし、配信者も視聴者も、みんなどこか狂ってる。
現代人の感覚のおかしさがよく描かれた映画でした。