こんにちは、みくろです。
先日、映画『白く濁る家』を観ました!
2019年公開。
若手製作陣たちによる、約45分という短さの短編映画です。
資金はクラウンドファウンディングで調達したそうで、キャストも少数精鋭、低予算でありながら実力で勝負した印象の作品でした。
-----------------------------------
長い間実家から遠ざかっていた良典は、恋人の香苗が妊娠したこともあり、結婚の報告も兼ねて久しぶりに母親の元へ帰ることになった。
良典の弟が若くして亡くなって以来、母親は大きな一軒家に一人で暮らしている。
香苗の訪問は知らされていなかった母親だが、それでも二人をあたたかく迎え入れてくれた。
しかし、飾ってあった良典の絵が捨てられていたり、次第に母親の言動にも違和感を感じるようになって…。
短編作品でありながら(だからこそ?)非常によくまとまっている印象です。
登場人物らの言動や映像から必要な情報は得られるけど説明的ではなく、雰囲気も抜群でホラーとしてかなり良いですね(*'▽')
もちろんCGで幽霊がバーン!と出てくるタイプの映画ではないので、派手さや映像的な恐怖を求めている人には物足りないかもしれません。
ただ、このリアルさや絶妙な間、底知れない不安感はホラー映画として一番怖いところを押さえていると思います。
短いですし、ホラー映画好きなら一見の価値あり!
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
まずカルト的な宗教にハマった母親が怖いのは大前提として、親子の不仲さやぎこちなさがめちゃくちゃリアルでした。
母親の嫌味を含んだ言い方とか、息子の言いたくても言えない感とか、どうせ和解できないから諦めてるけどやっぱり親子だから言いたくなって、でも結局傷ついて…みたいな不快感が見事に表現されてましたね。
鑑賞後に思い返すと怖いところも伏線として散りばめられていて、例えば最初に二人が到着した直後、母親が誰も飲んでいないコップの水を捨てるシーン。
誰のために用意していたのか?なぜ捨てたのか?
弟が亡くなっていることから、母親は死んだ弟が見えているのか…とかそっちのミスリードを誘いつつ、今思えば夕飯の買い物をしていなかったり不自然な点が多数あるんですよね。
最後まで観てようやく、母親は到着したらすぐに儀式をする予定だったんだと気付く。
香苗がいることは全くの予想外で、最初に捨てた水は到着した息子に飲ませる予定だった薬入りだったんですね。
途中で「あなただけの体じゃないんだから」みたいな発言もあったと思うんですが、生まれてくる子供のためと思いきや、今思えばあれも弟のため。
早く儀式を行いたいのにできない母親の苛立ちというか、結婚や妊娠の話もどういう気持ちで聞いていたんだろうとか、鑑賞後にもまた違った恐怖を味わえる映画でした。
最後は賛否両論かな?
次は香苗が母としての狂気に走りそうな、そんな不穏な感じが個人的には好きです!