#792 『レリック -遺物-』感想とネタバレあり考察【映画】
#44以前はアメブロで投稿していたものです。
※後半にネタバレ含む感想と考察あります。
こんにちは、みくろです。
昨日、映画『レリック -遺物-』を観ました!
ジャンルはホラーです。
新人女性監督のデビュー作ということで、最近また徐々にホラー映画界に新たな風が吹き込まれている印象。
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中年女性のケイは、一人暮らしの老いた母親が行方不明だと警察から連絡を受けた。
娘のサムと駆け付けると、家中メモだらけ、母親が認知症を患っている可能性が高いことに初めて気付く。
数日後、突然帰宅した母親は、どこにいたのか何をしていたのか全く話そうとせず、記憶障害と徘徊が始まっているのなら施設への入居も必要かと悩むケイ。
しかし母親は認知症であることも施設への入居も頑なに拒否し、ケイとサムが偽物で、家の中に何かが侵入して来ていると主張するのであった。
まず、ホラー映画としての雰囲気が抜群にイイ!
大きな音など単純な驚かせ方はほとんどなく、登場人物たちの会話や台詞数もかなり少ないんですけど、それでも純粋に怖いと感じさせるのはこの監督さんのセンスと才能だなと思いました。
非常に繊細で情緒的な作品なので合う合わないはあるかもしれませんが、多くの人が本能的な恐怖を感じる映画だとも思います。
新人監督さんがどんどん出てきてくれるのは嬉しいですね!(^O^)
母娘という女性ならではの感情もよく描かれていたと思うので、是非チェックしてみて下さい♪
ネタバレあり感想・考察
※以下ネタバレ含みます。
最初は単純に家系に憑いた呪い系か、途中でまさかのモンスターハウス系かとも思ったんですが、最も恐ろしいものは"老い"だということに意外性を感じました。
でもそこで意外だと思うのは現代人ならではの感覚で、生物として誰も避けることができないという点では万人が恐怖するテーマでもあるんですよね。
そこに焦点を当て、更に3世代にわたる女性を登場させることで、時代の変化や母娘の葛藤もうまく描かれていたと思います。
特にケイは、自分の仕事や生活に母親の世話、更には娘の心配と、最も多くのものを抱える世代で、彼女の罪悪感がまた心をえぐっくるんですよね…。
まだ若いサムにとっては祖母の変化はただただ恐怖の対象でしかなく、そのくせ施設へ入れるのを反対したり現実的なことは想像できていない様子。
ラストでケイに同じ痣ができていたのは、母親の老いや死を受け入れたことで次の順番が回ってくるという意味だろうか…?
老いを美化する風潮がある現代であそこまで恐ろしく醜悪に描いたことは良い意味で挑戦的に感じたし、その辺りの容赦のなさがホラー映画としてはすごく良かったです。
ただやはり初見だと途中まで何が原因なんだといろいろ考えながら観てしまうので、ラスボス的な存在を期待していると肩透かしを食らってしまうかも。
"老い"という恐怖を考えながらもう一度観なおしてみたいです。