小さいおばさんのゲームとホラーな日常。

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【お知らせ】2023/12/06 「その他」に「コメントについて」を追記しました。

#271 『ミッドサマー』と異文化の恐怖【映画】

#44以前はアメブロで投稿していたものです。

こんにちは、アラサー子なし専業主婦みくろです。

今週は映画の話が多くなってしまうんですが、リリース当時配信されてたものの最近はどこも停止していてず~~~っと観たかった作品がついに配信再開されてたので鑑賞(*^^*)

 

『ミッドサマー』

 

ミッドサマー(字幕版)

 

あの『ヘレディタリー/継承』アリ・アスター監督の映画です。

ジャンルがホラーなのはまあ間違いないんですが、ゴーストでもないスプラッターでもない、暗い雰囲気なのかというと常に明るく映像は美しい、なかなか言葉では説明できない感覚にさせられる作品(U-NEXTにはフェスティバル・ホラーって書いてあった(笑))。

 

ただ建物の造りに何となく落ち着かせない歪みがあったり、空は明るく白ばかりの映像、主人公達が何らかの薬物でトリップしているという設定で周りがぐねぐねゆらゆらしていたり、明るい雰囲気とは対照的な不穏な空気がとにかく不気味です。

 


不気味な祝祭…アリ・アスター最新作『ミッドサマー』本編映像

 

大学生グループが仲間の留学生ペレの故郷へ夏至の祝祭を見るためスウェーデンへ旅立つ。

元々行かないはずだった主人公ダニーも、身内の不幸で落ち込んでいたところを彼氏からの誘いもあって行くことに。

 

そこは独自の文化のもと自給自足で生活する共同体ホルガ村。

そこは楽園なのか?地獄なのか?彼らの真の目的は…。

 

文化の一言じゃすまない

正直何を信仰しているかも分からない人々の祝祭によく行けるな~と思ったんですが、仲間の一人は人類学(おそらく民俗学系)専門で論文執筆のためでもあったし、留学生とはいえ友達の故郷ならまあ旅行感覚で行ってしまいますよね(^o^;)

 

簡単に言ってしまえばカルト集団なんですけど、実際かなり昔(中世ぐらい)に本当に行われていた儀式もあり、作中でも主人公らが否定すべきか受け入れるべきか苦悩しているので「間違ってる!!」と言い切るには難しい問題です。

 

もちろん映画なのでどんどん怖い展開にはなっていくんですが、登場人物らの言動から、何が幸福で誰が敵なのか、だんだん分からなくなってくるのが面白いところ。

特にダニーの彼氏クリスチャンは稀に見る優柔不断ゲス野郎なので(笑)、友達も含めて人間の情けない部分を象徴しているのかなあとも思いました。

 

『ヘレディタリー/継承』もそうでしたが、この監督が今までにない作風を打ち出しているのは間違いないですね。

抽象的で考察ありきの映画ではあるけれど、他とは恐怖の種類が違うというか、誰しも感じた事はあるけど言葉にできない嫌な感覚を映像化しているというか、とにかく『ミッドサマー』もかなりの問題作で印象に残る素晴らしい映画でした。 

 

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