こんにちは、みくろです。
先日、映画『NOPE/ノープ』を観ました!
2022年公開。
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ヘイウッド家は代々、テレビや映画に出演する馬の調教を主とした牧場を営んでいた。
ある日、いつものように息子と二人で馬の世話をしていたオーティスは、空から降ってきたコインが直撃して亡くなってしまう。
牧場は息子のOJが引き継いだものの、口下手で社交的でない彼では、妹・エメラルドの力を借りても父親のように仕事をこなす事ができなかった。
更に飛行機からの落下物で死亡と片付けられた父の死が納得できず、OJとエメラルドの兄妹は、牧場付近で見かけた謎の飛行物体が原因なのではないかと調査に乗り出す。
ジャンルはSFホラーになるのかな。
結構怖いです!
『ゲット・アウト』や『アス』とはまた違った怖さなんですが、映画の面白さに加えて今作も強いメッセージ性がありました。
登場人物それぞれの複雑な心境がよく描かれていて、終わった後の余韻も、個人で考察する楽しさも、ジョーダン・ピール監督の奇才ぶりが素晴らしかったです。
個人的にホラー映画界はこのピール監督と、『ヘレディタリー/継承』のアリ・アスター監督が新風だと思っているので、今後も注目していきたいところ!
好みはあれど、間違いなく現代ホラーの最高峰作品群の一つだと思うので、映画好きさんは是非チェックしてみて下さい…!
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
正直UFO(最近はUAPらしい)は映画的な面白さに過ぎず、本当に描きたかったのはチンパンジーのゴーディの方じゃないかなと感じました。
もちろんUAPも怖いんだけど、ゴーディの方が印象に残る人も多いと思います。
今作のテーマは「人間の傲慢さ」でしょうか。
動物の調教もそうだし、全てを科学的に解明して管理しようというやり方も、なぜ人間基準でうまくいくと考えるのか。
もちろん人間以外の生き物や自然界と共存することは私も可能だと思う。
ただそれには人間が一番上という認識は捨てて相互理解が必要だし、相手が理解できない(そういった概念がない)存在の場合や、逆に人間が理解し切れない存在もあると認めないといけないと思います。
今作ではリッキーが最も印象的で、最も気持ちが読めない人物でした。
彼は子役時代にゴーディの事件で恐ろしい経験をしているんだけど、最後に一瞬だけゴーディとの絆が見えてしまったせいで大人になった今でも固執していて、明らかなPTSDと種族の枠を越えた共生の希望とで揺れ動いているように見えました。
彼がUAPに対してどう感じていたのか、交流したかったのか管理したかったのか、その辺りを読むのが非常に難しい人物像だったけど、あのテーマパークのやり方を見たらお金儲けのためだけとも思いにくく、やはり友好的な結末を期待していたような気がします(見事に裏切られたけどw)。
ラストは賛否両論かな。
個人的にはUAPが一個体じゃなく他にも大量に居たとか、倒したのは子どもだったとか、そういう絶望的な結末の方がSFホラーっぽいと思いました。
希望が見える終わり方もアリだけど、あれじゃ人間の完全勝利みたいに見えて映画の趣旨とズレているような…。
それとも結局そうなりますよって皮肉なのかなあ?そういったところを考察するのも面白い作品ですね。