こんにちは、みくろです。
先日、鈴木捧さんの『実話怪談 蜃気楼』を読み終わりました!
結婚記念日の時だったかな?夫がプレゼントしてくれた本の1冊なんですが、普段私が好きな怪談師さんの本は避けてくれるので(既読かもしれないしね)、今回の作者さんも初見でした。
山の怪談が得意な方なのかなあ?比較的そういう話が多かった印象です。
怖いというよりは不思議なお話が多くて、心霊よりも自然系というか、動物など人間以外が原因かな?と想像させられる話が好きな人は向いてると思います(*^^*)
ここからは私の感想なんですが、正直全体的にオチが弱いと思いました。
実話怪談なので原因は不明のままとか、はっきりオチがないのはいいんだけど、変にこじつけた感じで「手前で止めておけば怖いままで終われたのに!」みたいな話が多かったんですよね。
怪談って一つ一つのお話が短い分、この一文さえなければ良かったのにみたいなことも起こりやすくて、余計なオチのせいでせっかくの良い題材を活かしきれてない感じは正直しました。
ただ、話の内容自体は今まで読んだことないような類もあって、普段からいろいろ読んだり聞いたりしている怪談好きの人にとってはなかなか面白い本なんじゃないかと思います(^O^)♪
ネタバレあり感想
※以下、ネタバレ含みます。
さて、細かい感想なんですが、個人的に「セナ」「隣の車」「うろたえないで下さい」が怖くて印象に残っています。
まず「セナ」なんですが、これは正直オチの部分は怖くないんです。
何より怖いのは、事故の場面を夜中に繰り返し見てるお父さん(笑)
このお話のゾッとするのはお父さんの意図が全く読めないところで、今作の誘導通り予知的なもので先に見えていた可能性もあるし、悪い見方をすればお父さんがそう仕向けていた可能性もゼロではない。
繰り返し見ていたのは自分の力が信じられないのか、何か検証していたのか、事故を見るのが好きなのか、お父さん側の話が全くないところが逆に怖いお話でした。
そして「隣の車」、この話は心霊でもヒトコワでも、どう転んでも怖いところが面白かったです。
心霊であればもちろん怖いし、仮に車内に誰かが隠れていて体験者が目を逸らした隙にノートをめくったとかヒトコワ要素があったとしても怖い。
短いながらも印象に残ったお話でした。
最後に「うろたえないで下さい」なんですが、これは単純に私がこういう話が好きだからです(笑)
「うろたえないで」って言葉からもあまり悪意は感じないし、しつこくメールでも言ってくる辺り、怖がらないでと心配しているような印象も受けますよね。
解釈次第で意見が分かれそうだけど、個人的にはちょっと可愛らしい感じもしました(*'▽')
いやでも、普通うろたえるでしょ、と(笑)