こんにちは、みくろです。
先日、本『奥羽怪談』を読了しました~!
編著者である黒木あるじさん含む、10名の作家さんによるアンソロジー怪談です。
奥羽とは現在の東北6県のことであり、要は東北怪談ですね。
岩手、福島、秋田、宮城、青森、山形の順で、各地方出身の作家さんが現地で集めた話を書いてくださっています。
私は九州出身なので、正直地名など書かれてもどの辺りなのかよく分からないんですけど、歴史的に興味深いお話も多く、東北ならこんな怖い事も起こるのかも…と他県出身者だからこそロマンのようなものを感じました。
ただ、地方怪談だから仕方ないんだけど、方言が難しい(笑)
奥羽と謳っているから敢えてそのまま書かれたんだと思いますが、標準語のふりがながない方言も多くて、意味が分からないのと読みにくく感じるところも多かったです。
でも逆を言えばそれだけ現地の雰囲気を感じることができる作品なので、地方怪談としてなかなか面白い本でした(^O^)
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
個人的に印象に残ったお話について。
鷲羽大介「聞けなかったあの台詞」
作者さんご本人も作中で言っているが、途中まではよくある話で目新しくもないんですよね。
でもオチについてはあまり聞いたことない展開だと思うし、死んでしまったりするより余程怖い気がする。
同僚が語っていた話は、実際作者が予想していた通りのオチだったのか?
何者かがその最後のオチを言わせたくなかったのか、本当は作り話だったのに怪異を呼んでしまった系なのか、真実を知ることができない以上、いろんな予想ができる話で面白かったです。
葛西俊和「あづやず」
死ぬ前も死んでからも迷惑なおじいさんだなと…。
ただ、なぜそこまで垢だらけで苦しまなければいけなかったのか気になります。
他の方は同じ埋葬方法でもこのような出方はしていないと思うんだけど、なぜこの人だけ特別だったのか?生前の行いが関係しているのでしょうか…。
あと調べても「あづやず」の意味が分からなかったんですが、どこでどう区切って何て調べればいいのかも分からない!
教えて東北の方!(笑)
黒木あるじ「出羽怪・諸々」「出羽怪・様々」
やっぱり黒木あるじさんの怪談は面白いですね。
山形県が舞台の短い怪談を諸々・様々としてたくさん収録してくださっています。
特に<知らない女>の話が怖い。
おばあちゃんの優しさだったのかもしれないけど、未だに何か分からないのに居るって怖すぎる…。
あと、黒木あるじさんといえば最初の「ようこそ、戦慄の大地へ。」の文章がめちゃくちゃ上手くて感動しました(笑)
所謂「はじめに」なんだけど、この部分って説明的なところが多くて印象に残る方が少ないんですが、すごく引き込まれたし導入として非常に良かった。
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東北出身の方が読んだらまた違った感想になるのかもしれないですね。
他の地方怪談も読んでみたいです(*^-^*)