こんにちは、みくろです。
先日、緒方あきらさんの『実話忌譚 怪口伝』を読了しました!
この作家さんの怪談本は初。
先日の誕生日に夫がプレゼントしてくれた物の一つでした♪(いつも読んだことない作家さんの本を贈ってくれる)
だいたい2020~2023年に取材されたお話で、中には本当に最近起こったばかりの話もあったり、リアルタイムな感じが良いですね。
がっつりバーン!と怖い存在が出てくるお話は少ない印象。
体験者さんも「結局何か分からなかった」みたいなオチが多いんですが、その分からなさがかなり良かったです。
怪談の中には語り手側が無理に特定の考察へ誘導するような話し方ってあるんだけど(もしかしたら〇〇なのかもしれません…で締めたり)、この作家さんの場合は「分からない事が怖い」というスタンスで好みでした。
単純な幽霊譚というより都市伝説っぽいお話も多いですね。
あまり聞いた事がないような系統のお話もあって、今後も是非読んでいきたい作家さんの一人になりました(^O^)
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
話数が多いため、特に印象に残った話について書きます。
「友人宅の柱」
いろんな意味で怖いお話。
実際に2メートルを超えるほど成長した何かがいても怖いし、いなくても怖い。
ずっと「五歳」って書いてあるなら時が止まっているのはご両親も理解しているわけで、ちょっと精神的におかしくなってしまっているとか、友達にも言えない家庭の事情があるのかもしれませんね。
「能楽堂の舞」
何かオシャレな怪談だなと思いました(笑)
体験者さんが見たもの以外も特に悪意がありそうには思えないし、最後の責任者の言葉からも芸事をする場ではよくある話なのかもしれませんね。
「名前」
目的が分からないのが怖いですね。
ただ本当に苗字を当てようとしているなら、相手は名前を知らないわけだから、仮に当てられても「違います」って言えばバレないのでは…?
でもそこで「嘘つくな!」とか言われたらめちゃくちゃ怖いし、霊的な存在なら居留守も分かっちゃうのかな~地味に嫌な現象ですね。
「異世界エレベーター」
このお話が今作で一番好きでした!
元々洒落怖の「異世界に行く方法」が好きなので、実際にそれを試した体験者たちの話とあって非常に興味深い…!
実際にこの都市伝説を試したから起こったのかは不明ですが、普通しないような動きをするとそういった存在を引き寄せてしまうっていうのはあるんじゃないかと思います。
パンを投げたところがリアルですよね(笑)
あながち異世界に行くというのも全く無根拠な話ではないのかな…?