こんにちは、みくろです。
先日、映画『奇々怪々譚 醒めない悪夢の物語』を観ました!
一応映画作品には入ると思うんですが、短い8つのお話からなるオムニバスホラーです。
この手のジャンルはどうしても評価が低くなりがちなんですけど、意外にも今作は高評価が多くて気になっていました。
実際に鑑賞してなるほど納得、すごく良い作品でした(^O^)
毎話「こんな悪夢を見た」から始まるんですが、どれも狭い環境のワンシチュエーションで、逆にそれが本当の夢っぽいというか、細かい設定など省いて"ただそこにある不可解さ"だけに焦点を当てているのが良かった。
映像もストーリーもめちゃくちゃ怖いわけではないんだけど、強烈に印象に残るカットがあったり、「なぜか分からないけど怖い」みたいな謎の恐怖感がじわじわ。
それだけ頭よりも生理的に感じる恐怖の方が大きかったのかもしれません。
毎回しっかりオチがあるのも短編集としては正解だと思うし、役者さんの演技もすごく自然でした。
極端なグロとか映像的なインパクトにも頼っていないので、『世にも奇妙な物語』など好きな人には特にオススメです♪
ネタバレあり感想・考察
※以下、ネタバレ含みます。
「カーテンの向こう」
体が不自由な方にとって、ヘルパーさんが誰かに襲われたらって考えただけでめちゃくちゃ怖いですよね。
そのシチュエーションだけでもホラーとしては最高だったんですが、インターホンが鳴ってヘルパーさんが出て行く時、玄関側の窓を男が開けているのが一瞬見えるんですよね。
ドストレートにそれが犯人なんだけど、普通に開けて入ってきてる感じが逆に怖かったというか、そこからしばらく時間が経つのでその間何してたんだろうとか想像しても怖いお話でした。
「深夜の来客」「東京の友達」
とにかくこの2つはオチの言葉に尽きますね(笑)
それまでの緊迫した雰囲気から一転、「え、そこ?」と拍子抜けするんだけど、次の作品へ切り替えしやすくてオムニバス系としては良かったと思います。
「古本の倉庫」
正直これはちょっと笑ってしまったんですが、THE・幽霊!って感じの話はこれだけなので、「この手の幽霊って怖くないでしょ?」という監督さんからのメッセージのようにも感じました(笑)
しかしなぜ半裸…(´・ω・`)
「女ともだち」
ヒトコワですが、一番有り得そうで怖い話。
タイトルが「女ともだち」で女子会シーンから始まるので、友達が彼氏と浮気しているとかそういう結末なのかなあと思っていたんですが(それっぽい話もしてますしね)、そっちか!と。
短いお話の中でミスリードを誘いつつの伏線回収、見事です。
「彼氏の部屋」
結論から言うと、この話が一番好きです(笑)
完全にギャグなんですが、彼氏のクサすぎる言動、とことん可愛い彼女、窓にへばりつく幽霊、どれも最高でした。
どれか一つでも間違えると寒すぎて見るに堪えないものになっていたと思うんですが、突き抜けてるのがいいのか…?ここまでいくと面白かったです。
「釣り人」「ホームレス入門」
ラスト2話は感動ものでしたね。
前者はギャグに寄りながらも最後は良い話、後者はいろいろ考えさせられるところもありました。
最後の「梁」が泣けるというか、そういう事か…と噛みしめながらのエンドロール、構成も素晴らしかったと思います。
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こうやって書いてみると純粋に怖いと思うような話は最初の1話ぐらいじゃないか?と思うんですが(あとはどこか笑えてしまう)、それでもオムニバスホラーとして私も高評価なのでやっぱり監督さんがすごいのでしょうね。
良いホラー時間でした(*^^*)