こんにちは、みくろです。
先日、郷内心瞳さんの『拝み屋怪談 壊れた母様の家<陽>』を読み終わりました!
今作は陰・陽の二部作、こちらは後編になります(前編<陰>についてはこちら)。
想像していた以上にとんでもない展開でした(笑)
まさかここまで繋がっているとは…世間が狭いのか、避けられないようになっているのか。
前編の感想でも書いたんですが、今回のお話は『花嫁の家』を先に読んでいないと半分以上は分からないと思います。
更に登場人物や怪異の内容的に『鬼神の岩戸』も読んでおくといいです。
他力本願で善悪を語るな
さて、今作の感想なんですが、非常に「善か悪か」や「被害者か加害者か」の定義が難しいお話でした。
もちろん完全な悪というか、救いようのない考えの人も数人いますけど、今回の主人公ともいえる十朱佐知子など、根っからの悪人ではないのに巻き込まれて加担してしまったケースもあり、そういう人も混ざってるから余計に真実が見えにくくなるんですよね。
彼女も過去では明らかに被害者だった時期もあって、その時の辛さや怒りが蓄積されていっきに表出されるからとんでもない事になる。
この本の内容は極端だけど、幼少期の辛い経験や学生時代のいじめなどが、大人になって歪んだかたちで問題を起こすのは実際ありますよね。
でも自分が辛かったからって加害者側になってしまうと、それこそ誰もまともな人は相手をしてくれなくなるし、新たな被害者を生んでしまう。
今作は、もちろんジャンルはホラーで怖いんだけど、郷内さんの「自分のことは自分しか救えない」という一貫した強い思いのようなものも感じました。
実際郷内さんほど自分で自分の始末をつけてる人はいませんし、たぶん他力本願なのが好きじゃないんだろうな~というのは前から思ってたけど、今回はそれが更に顕著でしたね。
近況を…
だからこそ最後の展開がビックリで辛い(;_;)
『壊れた母様の家』は数年前のお話なので現在どうなってるのかは分からないんですが、ネットで近況を調べるのも何か違う気がして、とりあえず最近も郷内さんの新刊は出ているのでお元気なのだろうとは思いつつ…。
一応実話ということなんですが、疑ってるとかじゃなく単純に読者はどこまでが真実か知りようがないので、変に郷内さんご自身をネットで検索するよりも次巻以降をしっかり読んでいくのがいいかなと思ってます(`・ω・´)
正直7年前ぐらい?に郷内さんの最初の本を読んでから今日までずっと気になって読み続ける作家さんになるとは思っていなかった。
これからも応援してます!