こんにちは、アラサー子なし専業主婦みくろです。
先日、三津田信三さんの『赫眼(あかまなこ)』読了しました!
(なぜか表紙が表示されなかった…)
8作の物語と4作の怪談が入っているホラー短編集。
実はこれ再読なんですが、最初に読んだのが10年ぐらい前なのに変わらず同じところで怖いと思ったり面白かったです(*^^*)
ストーリーとしては初期の頃の作品というのもあって少し単純なところもあるんですけど、三津田さんって本筋じゃないところが怖いというか、ご本人もかなり映画の影響を受けてらっしゃるので、物語の主軸よりもその表現方法が怖い作家さんなんですよね。
いろんな怖い本を読んでるけど、鬼気迫るシーンや追いかけられたり怪異の表現はダントツでうまいと思います。
本当にホラー映画を観てるような感覚になるんですよね~文章でそう感じさせるのはすごい。
個人的に一番怖かった話は『見下ろす家』でした。
こういう家にまつわる話って三津田さんの作品には多いですけど、見るからにお化け屋敷!って感じじゃないところが逆に怖いですね。
あと『灰蛾男の恐怖』の相槌(笑)
これがまさに上述の「本筋じゃないところが怖い」ってやつなんですが、ある人物がこの話で相槌を打つんですけど、相槌だけでこんな怖い!?ってぐらい怖くて(^o^;)
『赫眼』は初期短編集というのもあって、三津田信三ってどんなホラー書くの?ってまだ読んだ事ない人にオススメの1冊です♪
本当に推してるのは…
ただ、怖い本を書く作家さんはいくらでもいらっしゃるんですよね。
私が三津田信三さんのファンな理由は実はそこじゃなくて、一番すごいと思っているのは絶対に相容れないジャンルを融合させたところです。
三津田さんは『赫眼』などの短編集や家シリーズといったホラーに重点を置いた作品とは別に、刀城言耶シリーズという長編をたくさん出してらっしゃるんですが、これが本当もうすごいんですよ!!
ミステリーとホラーの融合作品。
今までも怪異と見せかけて実は人為的トリックでしたという探偵小説は結構あったんですが、三津田さんの刀城言耶シリーズの場合は、一般的なミステリー要素とは別にどうしても説明がつかないホラー要素も必ず混ざり込んでるんですよね。
本来ならミステリーに非科学的な解釈はご法度なんですが、犯人やトリックが分かってスッキリしたい現実派のミステリー好きでも納得せざるを得ない怖さが三津田さんの作品にはあります。
もちろん探偵小説としてもよく練られているのでそれだけでもかなり面白いんですけど、「じゃあ、あの時のアレは何だったの…?」みたいな全て解決した後でも尾を引くような、モヤモヤして真実が知りたい!というより「そっとしておこう…」と読者に肯定させるというか、その按配が本当にうまいです。
私もミステリーとホラーは絶対相容れない!と思っていたので最初読んだ時はビックリしました(゚д゚)
刀城言耶シリーズ、オススメです!