こんにちは、アラサー子なし専業主婦みくろです。
最近またちょっと夫婦で映画ブームがきてるので週末にまとめて何本か観る休日が続いてるのですが、先週はちょっと変わった2本を観ました。
まず1本目『マザー!』
これ全く事前情報なく観たんですが、胸糞悪さ200%でビックリ(笑)
夫婦二人で静かに暮らす家に見知らぬ人々がどんどんやって来る話で、図々しく勝手な事ばかりされ主人公の女性がどんどん神経的に参っていってしまうのですが、何で自分の家なのにこんな事されないといけないの!?と次から次へと不快な出来事が起こります。
しかもそれを旦那さんは受け入れて歓迎までするのでますます訳が分からないことに。
日本では公開中止にもなったみたいですし、話の展開があまりにも衝撃的で観終わった後もしばらくポカーン状態だったのですが、あとで調べたところ『マザー!』は創世記やキリスト教を裏テーマとした映画なんですね。
元々この監督さんはそういう宗教観や現代社会の問題を映像化するのを得意とされてるようなので、そういう視点で考えるとなるほど納得のストーリー展開だったかもしれません(それでも不快だけど)。
もちろん大々的に「聖書をテーマにしています!」とは謳ってないんでしょうが、現地でも宗教的批判があったようなので暗喩が含まれていたのは間違いないかと思います。
ポイントは「鑑賞者が胸糞悪く感じた」という点で、監督が創世記や今日までのキリスト教の流れを描いたとして、それをここまで不快に思わせたというのは強烈な社会風刺になってるんですよね。
キリスト教がそこまで生活に影響していない日本ではなかなかピンと来づらい部分もありますが、日本人が知っている程度のふわっとした知識でも十分に伝わるものはあると思います。
私も無宗教なのでこの映画を観たからって自分の価値観がどうのと影響を受けることはありませんが、宗教学的な観点としても、単純に不快度MAX映画としても、非常に印象に残る作品でした。
ちなみに、最初のシーンからちょこちょこシャーロット・パーキンス・ギルマンの『黄色い壁紙』を彷彿させられたのですが、やっぱりそういう考察もあって面白かったです。
久々に読んでみようかな~(゚∀゚)
そしてそして2本目が『Us/アス』
あの『ゲット・アウト』の監督さん、今作も社会風刺ホラーです。
幼い頃に自分のドッペルゲンガーと遭遇し失語症になってしまった女性が、大人になって普通の生活を取り戻したところで今度は家族全員と同じ人間が現れる。
もうとにかく全く同じ家族ってのが不気味。
ドッペルゲンガーって全く見た目も中身も同じってイメージがあったんですが、この映画では自分のダークサイドって感じで作ったそうです。
同族や自分のコミュニティー以外を排除する人間に対する批判でもあって、「自分の知らない見えないところなら誰が苦しんでてもいいのか?」といったテーマも感じられました。
今回いろいろ考えさせられる映画を2本観て、直接的な映像や「こういうふうに考えてね!」ってあからさまなメッセージはないのに裏で伝えたいものを感じさせられる映画監督さんって本当にすごいなあと思いました。
さくっとスッキリする分かりやすい映画も楽しいけど、たまにはこういうちょっと自分の知識や価値観が問われるような作品を観るのも良いですね(*´ω`*)